1980年8月から第一首席コントラバス奏者を務めているオーケストラについて。

フランクフルト・オペラ・オーケストラ(正式名称:Frankfurter Opern- und Museumsorchester)は、フランクフルト市立オペラとフランクフルト博物協会の両方に専属契約を結んでいる、230年の歴史を持つオーケストラ。

ドイツにおけるオーケストラの規模・給与規定、1938年のTO.Kに続き、1953年の新しい組合規定(TVK)が制定され、当初からランクは「A」、その後「AF2」「AF1」と昇格。

現在の定員は115名で、コントラバス・セクションは定員9名

  • 1. Solo 2
  • stlv. Solo 1
  • Vorspieler 2
  • Tutti 4

という構成になっている。

フランクフルト市立オペラとフランクフルト博物協会は、テレマン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、R.シュトラウス、ベルリオーズ、シュポァ、ヒンデミット、シューマン、フンパーディンク等と直接・間接的に関わり、西洋音楽史には重要な役割を果たしている。

1915年には19才のヴァイオリニスト、パウル・ヒンデミット(Paul Hindemith)がコンサートマスターに就任、1922年に兵役に招集するまで務めた。(作曲家でもあったパウル・ヒンデミットは、鉄道・鐵道模型を趣味とし、鉄道が登場するコントラバス作品も作曲)


フランクフルト
市立オペラ

Frankfurter Oper, Städtische Bühnen Frankfurt

1782年、市民のオペラとしてコメディエンハウス(Comoedienhaus)が現在のラーテナウ広場(Rathenauplatz)に面して建てられた。当初の建物は残っていない。

1880年、オペラハウス(現・旧オペラ座)が完成。

第2次世界大戦で連合軍の爆撃を受けて廃墟と化したが、オーケストラは演奏を続けた。市は破壊されたオペラと演劇場を比較検討の結果、演劇場をオペラに改・増築、1951年に公演再開。

1963年、演劇舞台と小演劇場が増設され、3つの舞台を持つ市立劇場が完成した。

1981年8月からは定期演奏会のムゼウムス・コンツェルト(Museumskonzert)をアルテ・オパーで演奏している。

1987年、失業者による放火で舞台が焼失。3年半後、最新式の設備で公演を再開。ヨーロッパ最大級の回転舞台(直径38m/円周120m)が再装備された。舞台吊物機構* はすべてコンピュータ制御となっている。

再建中、オペラは隣の演劇舞台で、演劇はボッケンハイマー・デポ(Bockenheimer Depot: 市内ボッケンハイム地区の元市電車庫を改築した劇場)でそれぞれ上演された。

現在の演奏活動は以下の3カ所で行っている。

  • オペラ、バロックオペラ、オペレッタ: 市立劇場
  • ムゼウムス・コンツェルト: アルテ・オパー
  • バロックオペラ、小編成オペラ、実験的催し物: ボッケンハイマー・デポ

フランクフルト
博物協会

Frankfurter Museums-Gesellschaft

Museum[博物館]と語源は共通で、Musen、ギリシア神話で[音楽・舞踏・学術・文芸などを司る女神、ミューズ]から、「芸術文化の殿堂」といった意味。

1808年、フランクフルトの文化人が集まり、文学、美術、音楽、教育の啓蒙のためムゼウムス協会が発足。

1809年、オペラの総監督を招聘して定期的に演奏会(ムゼウムス・コンツェルト)を市立オペラオーケストラが演奏するようになった。

「文芸・教育」「美術」「音楽」の内、音楽が自然と重要視されるようになり、1961年には演奏会専門の協会になる。

会場は第2次世界大戦末期までザールバウ (Saalbau)、戦後は1981年のアルテ・オペラ完成まで市立オペラの舞台。

1981年、旧オペラハウスの廃墟は築100年記念を目指して再建され(1880年築、工事の遅れで101年に)、アルテ・オペラ(Alte Oper Frankfurt = 旧オペラハウス)として新スタートを切った。8月26日のこけら落としは、1981/1982年度、第1回ムゼウムス・コンツェルトで、当時のGMD、ミヒャエル・ギーレンがマーラー「千人の交響曲」を指揮した。


歴代の音楽総監督

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参考文献

"DAS FRANKFURTER MUSEUMSORCHESTER"
Paul Bartholomäi, Musikverlag C.F.Peters Frankfurt, EP 10885, ISBN 3-87626-224-0

"200 Jahre Frankfurter Museums-Gesellschaft e.V. 1808-2008"
非売本 Frankfurter Museums-Gesellschaft e.V.